実家に帰りたくないって思うのは親不孝ですか?

こんにちは!
札幌の心理セラピストの大咲けいこです。

さて、師走ですね!
何かと忙しいこの季節、みなさま大掃除はお済ですか?
私は全くやっておりません!!
何もこんな寒い季節にやらなくても…と自分を正当化しようとしていますが、
明日くらいはやろうと思っています。
普通の掃除になりそうですが(笑)

年末年始は実家に帰省する方も多いと思いますが、
今回は自分が生まれ育った実家に帰りたくないと思ってしまう心理についてです。

あなたは実家という言葉を聞いてどんなイメージが湧きますか?

一般的には、『温かくて安心感があってホッと出来る場所』というところでしょうか。

そうは言うものの、帰る日が近づくにつれて、
気が重く憂鬱に感じたりイライラが募ってきたりと、
帰ることが億劫になっているのにも拘わらず、
しぶしぶ帰るという人も中にはいるかもしれません。
こんなことを思う私はなんて親不孝なんだろうと悩んだり。
いったい何が起こっているのでしょうか?

話が変わりますが、あなたは『愛着』という言葉をご存知ですか?
「この車に愛着がある」「愛着があって捨てられない」など、
主に物に対して使われている言葉ではありますが、心理用語では、

愛情を通じて人と人との絆を結ぶ能力のことを言います。

愛着は幼少期から、抱っこなどのスキンシップによる温かいぬくもりを肌で感じること、
そして特別な存在(主に母親)との安定的な関わりがあることで形成されていきます。

子供が助けを求めた時、母親がすぐに駆けつけ、
抱っこや優しい声掛けをしてもらうことを繰り返すうちに、

『ここは安心安全』『自分は何があっても守られている』

という心の安心安全が育っていきます。
それが土台となって、人間関係、恋愛、結婚、子育て、仕事など
人とかかわる場面においても、人と安定した信頼関係が築けるようになります。

家庭は本来、安心安全の場所。
子供がただいまー!と帰ってきて、
「今日はこんなことがあったよ」「だから悲しかったよ」と伝えると、
「こんなことがあったんだね」「悲しかったんだね」とお母さんが受け止めてくれる。
どんな自分を出してもそのままの自分を認めてもらえる。
安心できて、温かい場所。
それがあることで、愛着(心の安心安全)も育ち、
家庭の外の世界へもどんどん挑戦していくことができます。

逆に、家庭が不安定な場所だと、愛着の形成はほぼ不可能に近いと言えます。
まして、家庭が不安定だから、外の世界はもっと怖いところに違いないと思うようになり、
何かに挑戦することはおろか、外へ行くこと自体が怖くなります。

このように、愛着の形成はその後の人生において大きな影響を及ぼすのです。

あなたが実家に帰りたくないと思う背景には、
もしかしたら幼い頃のあなたの家庭は、

・スキンシップを求めても拒絶や無視された
・事情により養育者が安定していなかった
・共感してもらえなかった
・お世話という過干渉だった
・両親がお互いに本音で向き合っておらず不仲だった
・親が精神的に不安定だった
・親が愛情やぬくもりを知らない人だった
・親がアルコール依存症などを患っていた

という、愛着が形成されにくい環境だったのかもしれません。

愛着が形成されないと常に不安定な状態が続きます。
それを解消しようと、今度は他人からもらおうとするのですが、
いくらもらっても満たされることはないのです。
なぜなら本当はお母さん(お父さん)から欲しかったものだから。

そしてそんな不安定だった実家に帰ろうとする人は、
小さい頃から家族に気を使いずっと頑張ってきた人かもしれません。
どんなに居心地が悪くても、不仲な両親のバランスをとったり、
苦労している両親を助けたり、精神的な支え役を担ったり。

そして、そうしてまでも、お母さん(お父さん)から
本当に欲しかった温かいぬくもりがいつかもらえることを、
無意識のうちに期待していたのかもしれません。

でも、どんなに頑張ってももらえなかったのは事実。
だけどその現実を認めてしまうことは、絶望を感じることでもあるのです。
それを感じたくないから、自分の努力が足りないからと自分のせいにして頑張っていれば、
いつかもらえるという偽りの期待を希望にして生きていけるのです。

あなたはこの繰り返しをしてきませんでしたか?

このままの状態が続くと、人とかかわる場面において、
ずっと外(相手)に愛情を求め頑張り続ける人生になってしまいます。
常に不安と隣り合わせて、愛情という目に見えないものは信じられないので、
ずっと欲しかった愛情を手にすることはできないのです。

この状態から抜け出すには、
まず、どうしてこんなにも実家に帰りたくないのか、
幼い頃の自分はどんな気持ちで過ごしていたのか等、
あなたの心に一度聞いてみることが大切です。

その上で温かいぬくもりや安心感をもらえなかった時に感じていた、
幼い頃の感情や感覚をあなた自身が十分受け止めてあげること、
心の安心安全を今から育てていくことが回復へのステップです。

最初はとても辛い道のりかもしれません。
でもこれらを一つ一つ乗り越えることで、傷ついた愛着は癒され、
人生における人との繋がりに大きな変化をもたらします。
私もそれで変化した一人です。

こんな時こそ心理セラピーがお手伝いできるかもしれません。
経験を積んだセラピストがあなたに寄り添い乗り越えていけるようサポートします。
決してあなたを一人にはしません。
何か感じることがあったら、一度セラピーのドアをノックしてみてくださいね。
電話カウンセリングもおすすめですよ♪

みなさま、良いお年を♪